北海道のど真ん中にそびえ立つ大雪山、そのふもとにあるのが天人峡温泉です。この天人峡温泉街は奥にある羽衣の滝に続く道沿いに温泉ホテルが並んでいるんですが、そのホテルがもれなく閉業して廃墟化。羽衣の滝に続く道は生きているものの、滝に到達するには巨大な廃墟の横を通る必要があります。
滝を訪れる観光客に廃墟から落ちてくるガラスの破片が当たると危ないと問題になっているそうで、これは廃墟が解体される日も近いなということで現地を探訪してみました。
唯一現存する温泉ホテルの奥は、壮大な廃墟通り
天人峡温泉は、大雪山系から流れる忠別川の川沿いにあります。旭川から美瑛に南下して旭岳方面に走ると、川沿いに温泉が立ち並んでいます。2025年時点で唯一営業している「御やど しきしま荘」は温泉街の中でも一番ふもとにあるので、その奥はすべてが廃墟です。
それでは、天人峡温泉に入っていきましょう。

ここに見えている建物は、すべて廃墟です。そして全部、元温泉ホテルです。
どうやら道路も廃墟の影響を受けているようで、危険を知らせる張り紙があります。

廃墟探訪をしていると頭上注意の注意書きを見かけることがありますが、ここもご多分にもれず。
道路の形も変わってしまっているようです。ここから先はクルマで入れないようになっています。

なので、ここでクルマを停めてこの先は歩いて探訪です。

1つ目の廃墟は「天人峡グランドホテル」
先ほどの写真で左側に見えているのが、「天人峡グランドホテル」の廃墟です。ロビー階の窓と思しきところが完全に割れてしまっていますね。

斜面にへばりつくように建物が並んでいるんですが、廃墟になるといつまで建っていられるのか思ってしまいます。

先ほどの注意書きにあったように、元ホテルの敷地に入らないようにバリケードが設置されています。廃墟だから危ないよ、というのもあると思いますが不法侵入を防ぐ意図もあるんでしょう。
この建物は道路と同じ高さなので、かなり荒らされてボロボロ。

この横長の建物を通り抜けて、後ろを振り返るとこんな感じ。

天人峡温泉廃墟の雄、「天人閣」が登場
次は、天人峡温泉廃墟の中では最も有名(?)な「天人閣」です。ここからは川の反対側にあるので橋を渡るんですが、クルマの橋は通行止め。もう老朽化して危ないんですかね。

このバリケードの雰囲気からして、掟を破るとヤバいことになりそうです。
私は歩行者なので、左側にある歩道の橋を渡ります。

橋の向こうには、立派な「天人閣」の雄姿が見えてますね。
天人峡は紅葉の名所です。この時期は秋だったこともあって、美しい紅葉を見せてくれました。天人峡が衰退しようが、ホテルが廃墟になろうが、こうして自然は何も無かったかのように移ろいます。

橋から川を見下ろすと、ここにも絶景が。

さぁ、いよいよ「天人閣」です。近くで見ると、想像よりもデカい。

建物自体は無傷のように見えますが、窓ガラスはかなり割れています。上のほうの階は窓が無傷なのに、下のほうの階は割れている窓が目立ちます。ということは、3階くらいまでは侵入者が来たんでしょうか。
それでは、天人峡温泉廃墟のクライマックスともいえる「天人閣」をじっくり見てみましょう。






羽衣の滝を見物して、「天人閣」の露天風呂で汗を流す。イイ感じの観光地なのに、もったいないですねぇ。


入口という入口が見事に木の板でふさがれています。これも廃墟ではよく見る風景ですが、そんなに侵入者が多いんですかね。
温泉街に付き物のアレもしっかり廃墟化
温泉街には付き物の、地元スナック。こちらも当然ながら廃墟化が完了しています。

ラウンジ花水木・・・書体とともに昭和を感じさせます。きっと中は立派なスナック然とした内装なんでしょう。


とはいえ、建物はすでにボロボロ。いつ屋根とかひさしが落ちてきても不思議ではありません。
羽衣の滝は今も美しい景勝地
かつて天人峡に来ていた観光客のお目当てでもあった、羽衣の滝も見ておきましょう。先ほどの「天人閣」までが温泉街で、その先は羽衣の滝に続く山道です。

ほとんど人が来ないので、道は落ち葉の絨毯です。それはそれで素敵な雰囲気なので、先を進みましょう。


さすが北海道、温泉街からすぐのところにもこんなに美しい自然があります。この日は雨だったこともあって、イイ雰囲気出てます。


紅葉が実にいい色です。雨のせいでちょっと川が増水してるせいで若干ゴーゴー感出てしまってます。
さて、歩くこと15分程度で羽衣の滝に着きました。

こ、これは美しい・・・。大正時代の文豪が滝を見て天女の羽衣のようだと感じたことから、羽衣の滝と名付けられました。その由緒といい、実に素敵なところです。
この先にもまだ道があるようですが、通行止め。すでにこの羽衣の滝も廃墟化が始まってるということでしょうか。

山を下り始めると、ここにも絶景
羽衣の滝から下山してくると、先ほどまでは背後にあった風景が見えます。
この天人峡には紅葉だけでなく奇岩の景勝地もあるようで、「あまつ岩」がなかなかの絶景です。

あまつ岩の手前にあるのは、「天人峡グランドホテル」の廃墟です。改めてこのホテル廃墟の写真を見ると、背後にこのあまつ岩があります。看板がなければこれが奇岩とは気づかんかったということですねw
足湯も廃墟化、すでに湯は出ず
温泉街を下りてくると、足湯の廃墟もあります。この「天女の足湯」は誰でも無料で入れたようですが、今では冷たい水が入っているだけでした。

結構立派な状態で残っているので、もしかしてお湯だけは出続けてるのかなと思いましたが、ただの雨水でした。残念。

自然の中にある秘湯のような温泉は、誰も来なくなってもお湯だけは出ているというところもあるので、もうお湯のパイプがつながっていないのかもしれませんね。
総括
天人峡温泉が廃墟だらけになっている、というのは北海道の地元のテレビで知りました。「観光客が歩く真横が廃墟だらけで危険」という言いぶりでしたが、確かに風が吹いたらガラスが落ちてくる可能性もあるのでまぁまぁ危ないです。
温泉地が丸ごと廃墟化している場所は全国各地にありますが、ここはかなり奥地で来るのが大変ということもあって、より秘境感が漂います。
レポートでも触れているように、道がどんどん通行止めになっていて改善する気配がないので、今は歩道だけ通れていても橋がすべて通行止めになると、この廃墟に会うことはできなくなります。いつまで見られるかは道路次第というところでしょうか。



コメント