大阪市内に「都会のローカル線」「都会の秘境線」などと呼ばれる鉄道路線があります。それは、南海汐見橋線。浪速区の汐見橋駅から西成区の岸里玉出駅までの6駅しかない路線で、しかもなかなか香ばしい地域を通ります。
いつもガラガラなので廃線の噂が絶えませんが、「●●線に接続するために残してるのでは」という活用の噂も絶えません。しかし現実は特に活用されることもなく2両編成の電車がガラガラのまま汐見橋と岸里玉出を往復し続けています。

廃線になってしまうと現役の姿は見られないので、自転車でこの路線を探訪することにしました。
汐見橋駅 周りの都会的な風景にたたずむ昭和
汐見橋駅は、大阪の巨大ターミナルである難波駅の隣町にあります。他の鉄道は桜川駅と名乗っているんですが、南海だけは汐見橋駅。阪神桜川駅とオートバックスにはさまれた場所にある汐見橋駅は、周りの風景と違ってここだけが昭和です。

この手前にあるのが、今回の探訪で活躍してくれたチャリンコ君です。時々登場するので、以後お見知りおきください。
汐見橋駅の中もなかなかの昭和感なので、ちょっと探索してみましょう。

一応南海なので、自動改札です。この改札の奥に1島2線のホームがあります。
どうですか?なんか良くないですか?機械は新しいんですが、それ以外はすべて時間が止まっています。



売店はもう使っていない模様です。すでに警察の掲示板と化しています。
ここから線路に沿って探訪開始です。

複線なんですが、2両編成の電車が往復するだけなので電車同士がすれ違うことはありません。かつてはもっとたくさん走っていたのかもしれませんね。
ニックネーム通り都会のローカル線なので、複雑に道路と交差します。当然、踏切もあちこちにあります。


上を通っている線路は、JR環状線です。環状線の鉄橋もなかなか昭和です。
芦原町駅 同和地区と教習所に囲まれた小さな小さな駅
汐見橋を出て1つ目の駅は、芦原町です。ここはちょっと大きな同和地区にあって、周りには廃墟になった団地やら謎の空き地やら、ちょっと通るのを躊躇するような廃車だらけの道路やら、かなり香ばしい風景が広がっています。
教習所がすぐ近くにあるので、利用者のほとんどはこの団地の住人と教習所の生徒といったところでしょうか。

何台かチャリンコが止まっているので、この駅の利用者でしょうか。ちなみにJR環状線には芦原橋という駅があるんですが、なんとなーく近くにあるので乗り換えにも利用できます。乗り換える需要があるのかどうかは知りませんが。

木製の建屋に、またまた昭和を感じますね。割と通勤ラッシュの時間帯なんですが、先ほどの汐見橋から乗客を1人も見かけません。

これだけを見ると、結構な電車が入って来そうにも見えます。
それでは、次の駅を目指しましょう。相変わらず踏切だらけです。


これだけあちこちに踏切があっても30分に1本しか通らないので、開かずの踏切になることはありません。
木津川駅 1日の利用者数が140人前後で大阪市最少、駅前はほぼスラム街
次の木津川駅は、汐見橋線を象徴する秘境駅です。1日の利用者数は140人前後しかおらず大阪市内では最少なんですが、ネット上の人気は間違いなく一番です。
これ、駅に向かう道です。この奥に駅があるのを知らない人もいるんちゃうかと思います。しかも不法投棄でゴミだらけになることがあるので、不法投棄すんなよという看板が立ちはだかります。

このあたりは舗装されてますが、途中から砂利道になります。

以前は駅前が路駐だらけで駅舎が見えないくらいだったんですが、どうやら対策されたようです。違法駐車と不法投棄だらけの駅って・・・w

これが秘境線マニアの間で大人気の、木津川駅です。先ほどの芦原町と同じく、無人駅です。
木津川駅は私も個人的に一番好きなので、入念に探訪してみましょう。

駅の中には通路があって、そこを渡ってホームに行くシステムです。
手前にある2本の線路はすでに使っていない廃線跡で、奥に1島2線の本線とホームがあります。
駅の近くには、踏切があります。この踏切で駅の反対側に行けるんですが、ここにも不法投棄禁止の看板が。どんだけ捨てとんねんw

こちらは、ネット上でも有名になった木津川駅前のスラムゾーンです。あまりにもゴミが捨てられるということで、通路がバリケードで封鎖されています。でも落書きはしっかりとあります。

それでは、味わい深い木津川駅周辺をご覧ください。




木津川駅は線路の本数が多くなっています。これはかつて貨物線があった名残だそうです。


ゴミを捨てる者あり、駅前道路を物置にする者あり。
さすが、汐見橋線の人気者です。
津守駅 汐見橋線の中では最もマトモ(?)
木津川駅を出発して、次の津守駅を目指しましょう。

津守駅までの道のりは「これぞ西成」という下町が続きます。
ここでは汐見橋線が花壇の一部になってますね。見事に生活に溶け込んでいます。
さぁ、津守駅に着きました。ここにはかつて出入口があったんでしょうか。今では階段だけが残る、トマソン状態です。

こちらが、津守駅です。

こんなところにチャリンコを置いても、誰も通らなかったので通行の邪魔にはなりませんでした。


津守駅はそれほど見どころがなかったので、次の西天下茶屋を目指しましょう。
西天下茶屋駅 下町情緒あふれるシャッター商店街の最寄駅
次は、西天下茶屋駅です。こちらは駅前にシャッター通り商店街が広がっていることと、駅舎が素晴らしいとしておなじみの駅です。

こちらは、そんなに有名ではないほうの駅舎です。またここにも「不法投棄禁止」。いや、この状況で駅前にゴミ捨てたらアカンやろ。



西天下茶屋駅は反対側(汐見橋方面)の駅舎が素晴らしいと評判なので、そちらも見に行きましょう。

確かに、これは萌えます。築年数はどれくらいなんでしょう、周りにも古い建物が多いので、うまく溶け込んでいます。
ついに走っている汐見橋線に遭遇!
次の岸里玉出駅を目指していると、こんな萌える風景にも出会います。
この上を汐見橋線が通るんですが、身長が高い人は電車に轢かれます。

そして線路沿いを走っていると・・・

ついに走っている車両に遭遇しました!
これまでさんざん駅を見て回っていたものの、乗客は誰もいない&電車にも出会いませんでした。ようやくお目にかかった2両の電車に人影はなし・・・。
岸里玉出駅 乗換駅なのに急行も停まらない偽主要駅
さて、いよいよ次は終点の岸里玉出駅です。西成区には岸里と玉出という街があるんですが、その間にあるので岸里玉出です。岸里玉出駅は南海本線と合流することもあって、駅前はだんだん賑やかになってきます。

何となくこれまでのローカル感たっぷりの駅とは雰囲気違うと思いませんか?
電気設備も何だかイカついのがありますね。
ここを前に進むと、駅です。

駅の中にすでに昭和感はありません。令和の駅です。

こちらが、岸里玉出駅の時刻表。他の路線はたくさんの便数があるのに対して、右下の汐見橋線・・・w

これにて汐見橋線探訪を終わります。
電車に乗って探訪すると30分に1本しか次の電車が来ないので時間がかかってしゃーないということで、今回はチャリンコで回りました。ほとんどが無人駅で駅の中を撮影しやすかったので、まるで電車で回ったような気分になれました。
廃線の噂が絶えない路線ですが、実際に駅や電車を見てもほとんど人を見ることがなかったので、廃線は近いかもしれません。



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