他の動物園にはない触れ合いやアクティビティが売りの動物園として、北海道の札幌市に君臨していたのが「ノースサファリサッポロ」です。しかしこの動物園、建物はほとんどが違法建築で動物の飼育許可も取っておらず、川の水を勝手に引き込んだり道路に道案内の看板を勝手に立てるなど、やりたい放題。
そのやりたい放題が長年放置されてきたわけですが、各方面からの突き上げが強くなり、遂に行政が動いて2025年9月30日、閉園に追い込まれました。それまで20年ほど放置されてきたことが驚きですが、法令違反上等で運営していたため、他の動物園にはない「魅力」があったのも事実でした。
あれだけやりたい放題だった伝説のモグリ動物園も遂に閉園したか、ということで閉園直後の現地を見てきました。
ノースサファリサッポロ伝説をおさらい
これだけ物議を醸し続けながら20年も営業し続けたノースサファリサッポロ。いったいどんな経緯で何が起きていたのかを、時系列でおさらいしてみましょう。主に起きたことを箇条書きにしてみます。
- 現場近くにあった定山渓熊牧場が閉園になることを受けて、似た施設を作ろうと開園
- 市街化調整区域でもお構いなしに施設を建築
- 札幌市が確認、行政指導をするも従わず施設はどんどん拡張
- 動物取扱業の許可も取らず動物もどんどん増える
- 道路に勝手に道案内の看板を設置
- 市民や関連業界からの苦情が殺到
- 2025年2月に札幌市が遂に動いて全施設の除却命令を出すとの報道
- 運営会社が閉園を発表
- 2025年9月30日に閉園
後で分かったことですが、札幌市はコロナ禍でダメージを受けた宿泊施設に出していた補助金を、ノースサファリサッポロの運営会社にも出していたそうです。なんともおめでたい。こんなノンビリしてるから、20年も違法状態を放置してきたんでしょうね。
2026年2月時点で、運営会社の公式サイトはまだあります。そこにあった閉園の挨拶には、こんな文言が。
建物に関する法令違反により長年支えてくださったお客様やファンの皆様のご期待を損なう結果になってしまったこと、深くお詫び申し上げます。
いやいや、もちろん建物に関する法令違反が一番の閉園理由ではあるんですが、それ以外もやりたい放題でしたよねw
閉園直後のノースサファリサッポロはどうなっている?
それでは早速、閉園直後のノースサファリサッポロ跡地に向かってみましょう。
この現地探訪は2025年10月だったので、本当に閉園直後です。まだ色々と残り香のようなものがあるはずなので、それを嗅ぎ取りたいと思いました。
札幌の中心部から国道230号を定山渓方面に走り、豊滝地区を過ぎた直後に左折します。左折した直後には、かつての道案内看板があったっぽいフレームが残っています。

おそらく、これもかつて看板があったフレームと思われます。

これらが勝手に設置したものであれば、確かに問題です。地権者もいるでしょうし、公的な土地であっても同様です。
この道を進むと、この先に動物園があるとは思えない道が続きます。どこにでもあるような、北海道の山あいの道です。


家の形が、北海道ですね~。10月なので、北海道は早くも紅葉が始まっていて風光明媚な風景の連続です。そんな道に、クレー射撃場も。このあたりも北海道らしさでしょうか。

広大な駐車場と立入禁止の看板
現地に着きました。そこにあるのは、広大な駐車場と立入禁止の看板のみ。
駐車場をこれだけ広々と確保できるのは北海道らしいですが、逆に考えるとクルマでなければ来れない場所なので、これだけの駐車場は必須です。

今も結構クルマが停まっているのは、残っている動物の世話をしたり撤収作業をする人たちがいるからだと思います。
こちらが入口ですが、今は立入禁止の看板があるのみ。

この看板の奥に進むと、ノースサファリサッポロのメイン通りです。
この奥に「ノースサファリ」や「デンジャラスの森」などがありました。今も動物たちは生活していると思いますが、それを見に行くことはできません。すでにこの写真右側にプレハブの建物がありますが、これも違法建築物です。園内にはもっとしっかりとした建物がたくさんあって、それらも全部違法建築物ということで、それが決定的な問題になりました。

何やら意味深な、隠された看板があります。
この看板、営業していた当時は園内を案内する看板でした。
こちらは、Googleストリートビューに残っていた当時の風景です。

入口跡からも見える違法建築物の数々
ここから先に入れないのは残念な限りですが、入口跡から見える範囲でも違法建築物が見えます。
ここにも看板があったっぽいフレームがあって、その奥には建物が見えますね。

後方に見えている建物群は、かつての「南半球エリア」と思われます。
営業していた当時の園内マップを見ると、その位置関係が分かります。

ビーバー、ハイエナ、プレーリードッグなどの動物たちがいた模様です。まだこの時点では動物の引き渡しが全然進んでいないので、まだここに暮らしていると思います。
さらに奥に進むとライオンエリアも!これもたぶん、許可なんか取らずに勝手に飼ってたんでしょうね。
他にも、往年のノースサファリサッポロを感じられる建物を探してみましょう。

ここは入口にあったコインロッカー室と、自動販売機。自動販売機はまだ生きていました。
もちろん、これも違法建築物。

ギリギリまで近づいてみましたが、動物の声が聞こえるといったことはありません。
どんな動物園でも、動物の声って聞こえますよね。本当に居るの?と不安にもかられました。

この白い建物は、かなり立派ですね。
おそらくこれは、「珍獣コーナー」や「ジャングルゾーン」です。ラーテルが居るみたいですが、ラーテルってめっちゃ獰猛で危険な動物ちゃいましたっけ?そんな動物を無許可で飼って、展示してたということですね。怖すぎる・・・
ここに建物を建てるべからず
ノースサファリサッポロが閉園に追い込まれた直接の「容疑」は、市街化調整区域に勝手に建物をたくさん建てたことです。市街化調整区域は建物を建ててはいけないので、せいぜい駐車場や資材置き場くらいの活用法しかありません。そこに100棟を超える建物を建てて無許可で動物園をやってたんですから、そりゃあ目を付けられますよね。

ノースサファリサッポロのすぐ近くに、この看板があります。
これはノースサファリサッポロの運営会社に見えるように設置した可能性が高いですが、最初からコンプラ無視上等で動物園を作るような人たちなんですから、こんな看板を立てても効果ないと思います。
これは別記事でも紹介している不法占拠、不法耕作地帯でも同じです。
総括
まさに「やったもん勝ち」を20年間続けてきたノースサファリサッポロの夢の跡を探訪しました。厄介なのは、動物を飼っているので運営会社にちゃんとしてもらわないと動物たちが殺処分されたりといった悲劇につながりかねない点です。運営会社の公式アナウンスでは絶対にそういうことはしないと言っていますが、平気で法令違反のオンパレードを続てきた会社だけに、どこか信用できない部分もあります。
現地に行っても見れるものは限られていますが、「ニュースの舞台になった場所」の空気を感じることはできます。





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