山形県鶴岡市には、かつて庄内交通湯野浜線という鉄道が走っていました。その沿線には善宝寺という立派なお寺があって、そのすぐ近くには善宝寺駅がありました。今は湯野浜線自体が廃線となり、善宝寺駅も廃駅となっています。
その善宝寺駅の跡地には湯野浜線の在りし日の姿を伝える資料館があったんですが、これも閉館。今は建物もなくなって、駅のホームと車両のみが残された状態になっています。いよいよこの状態が見られる時間も少なくなってきそうなので、現地探訪をしてきました。
善宝寺駅跡が資料館となり、今は資料館もない広場
かつて善宝寺駅があった場所は、「善宝寺鉄道記念館公園」となっています。この公園の名前から察しがつくように、かつてこの場所には鉄道記念館がありました。今は駅がなくなり、その後整備された記念館がなくなり、誰も管理していないように見える「広場」となっています。
このように、看板はちゃんとあります。

公園の全景。左奥の近代的な建物は、トイレです。
そして中央奥には、ずっと保存されてきた車両と駅舎があります。しかし、今ではもう管理されていないようで、荒れ放題になってしまっています。

どうやらこの公園には、噴水もあったみたいですね。

今では水も入っておらず、このまま放置され続けたら古代遺跡みたいになっていきそうです。
広場から善宝寺方面を望むと、立派なお寺がすぐ近くにあることが分かると思います。この善宝寺については、あとでレポートします。

見る角度によってはジブリ感たっぷり
さて、この善宝寺駅跡はすでにかなり草木が生い茂ってきていて、自然に還りつつあります。正面から見るとまだ駅感が残っていますが、両脇から見るとジブリ感がムクムクと湧き上がってきます。

左側に駅のホーム、右奥には唯一残されている車両が見えます。この鉄道に乗ったら、不思議な世界に連れて行ってくれそうです。
さらに駅のホームに寄ってみました。もう駅のホーム上も草ボーボーで、色んな生き物が住んでいそう。ホーム上にはかつての駅舎もわずかに残っているので、これは後で紹介します。

50年近く放置されたままの駅舎と車両が静かに朽ち果て続ける
この場所にあった鉄道記念館は、1978年に閉館しました。それまではちゃんと管理されていたそうですが、それ以降は放置。時間が経つごとにどんどん朽ち果てて今に至ります。
この風景がお目当てだったので、しっかり近くで眺めてみましょう。
まずは、駅舎から。かなり老朽化していますが、木造の建物が辛うじて残っています。

このホームには、蒸気機関車の車輪も保存されています。結構保存状態は良さそうですが、すでにこのあたりは全部立入禁止です。

次は、車両も眺めてみます。あまり詳しくないんですが、「モハ3形」という車両だそうです。
見ての通り、もうかなりボロボロです。錆だらけで、おそらく雨漏りもして車内もボロボロになってると思われます。
その前には侵入を阻むフェンスが張り巡らされていて、この一帯が取り壊しモードになっていることを感じさせます。

お顔を拝見しましょう。先ほど紹介したホーム上にある蒸気機関車の車輪と比べると、屋根の下にないせいかボロボロさが目立ちます。でもこのボロさが、私好みです。

後ろ側に回ってみました。後ろ側はフェンスのせいでお顔を撮れませんが、その代わりにかつて人が通っていたであろう階段が見えます。ここを通って反対側のホームを行き来していたんでしょうね。
おそらく近いうちに撤去されると思いますが、最後までこの場所に鉄道があったことを静かに語りかけてくれます。

駅がなくなり、駅前の商店街も消えた
ここにあった善宝寺駅は、真ん前にある善宝寺に来る参拝客のための駅です。とても立派なお寺だけあって参拝客は多かったことと思います。
それを当て込んで土産物屋もあったようですが、それも今は昔。

観光地にありがちな、食堂と土産物屋のコンボ。今も現役の観光地にはたくさんありますが、ここではおそらく商売が成り立たなかったんでしょうね。鉄道記念館も来館者減少で閉鎖したみたいですし。

建物が立派なだけに、余計に郷愁を誘います。
実はとても立派な、善宝寺
さて、この善宝寺駅ができる最大の理由でもある善宝寺は、とても立派なお寺です。私が善宝寺駅跡を探訪している時も、お寺にはちょくちょく人が来ていました。地元の人や観光客が半々という感じで、鶴岡市の主要な観光スポットになっているようです。
せっかくなので、お寺にも入ってみましょう。

本堂に加えて、たくさんの建物があります。仏教的にどういう意味があるのかは分かりませんが、とにかく立派なお寺であることは分かります。

お詣りも兼ねて観光気分で善宝寺を探索してみました。




この建物にあった仏像群は、なかなか圧巻でした。ちょっと「感じる」私としては、明らかに誰かがいると感じる空間でした。
休憩所もかなり立派なので、シーズンや何か行事で大勢の人がやってくる時があるのかもしれません。

善宝寺駅跡は廃墟ですが、こちらの善宝寺は現役バリバリの立派なお寺なのでした。
参拝客は真ん前にある駐車場にクルマを停めているので、鉄道よりもクルマで来る人が多くなって廃線になってしまったんでしょうね。
さようなら、善宝寺駅
お目当ての善宝寺駅跡をしっかり探訪して、目に焼き付けてブログ記事にすることもできました。
大阪人の私にとって山形県鶴岡市は遠いので、おそらくこの姿があるうちに再訪することはないでしょう。しっかり在りし日の湯野浜線に思いを馳せて、「善宝寺駅」を後にしたいと思います。
さようなら、善宝寺駅。




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