大阪の何の変哲もない住宅街の中に、今も当時の姿のまま現存する防空壕があることをご存じでしょうか。その名も、加賀谷家防空壕。
名前の通り加賀谷さんという家の敷地にある防空壕で、当時のままの形で現存して、しかも倉庫として今も現役という超珍しいスポットです。
個人の所有だけにいつまで今の姿を見られるか分からないということで、早速現地まで見に行ってきました。
材料調達から施工まですべてが自作の加賀谷家防空壕
今回紹介する加賀谷家防空壕は、昭和20年に完成したそうです。
現在の所有者の祖父が材料調達から施工まですべてやったそうで、完全手作りの防空壕です。
公的な防空壕まで行けない人や、そこまで行くのに間に合わない人のために作ったんだとか。自分の家族だけでなく近所の人も入れるようなサイズ感で作ったそうで、なかなかの人格者ですね。
完成したのは昭和20年8月14日だったとのことで、終戦の前日です。辛うじて「戦時中」に完成したそうですが、すぐに終戦となって実際に使うことはなかったそうです。
公的な防空壕はほとんど現存していませんが、個人の所有だったことで今までその姿を残すことができたんだと思います。
これは、ますます気になりますね!
何の変哲もない住宅街に「それ」はあった
それでは、気になる防空壕を見に行ってみましょう。
地図を頼りに現地に来てみると、意味深な細い路地がありました。

この先に加賀谷家防空壕があるみたいです。
こういう細い路地がそのまま残っているということは、空襲の被害に遭うことがなく古い区画がそのまま残っていると思われます。
大きい車は通れないみたいです。その看板の後ろには、井戸っぽいものもありますね。

やはり、これは井戸でした。

蓋がしてあるところを見ると、今も井戸水があるのかもしれません。
結構しっかり蓋をしているので、めっちゃ深い井戸なのかも。
この井戸を通り過ぎると、「それ」はありました。
家にしては、明らかに高さがバグってます。

改めて紹介します、こちらが加賀谷家防空壕です。
正面には鉄の頑丈そうな扉があります。周りには植木、隣には物干し竿。
今の日常生活にしっかり溶け込んでいますが、まぎれもなく戦時中に作られた防空壕です。

今も倉庫として使っているそうなので、この頑丈そうな扉が開く時もあるんでしょうね。
それにしても半分は地下に埋まっているので、重いものを出し入れするのは大変そうです。

反対側から見ると、ゴミ箱とかエアコンの室外機もあります。
どちらの隣が加賀谷家なんでしょうね、表札では確認できませんでした。

換気口もあって長期間の滞在にも耐えられる設計
半分が地面に埋まったような形になっているのは防空壕ならではですが、そうなると換気が重要です。
そこにもしっかり配慮が行き届いているようで、横には通風孔、上には換気口があります。
こちらは、通風孔?窓?横の壁にあります。

そして、こちらはおそらく換気口。
屋根の上にあります。

昭和20年に作ったということは、すでに築80年。
80年経った建物だということを考えると、ほとんど傷みもなくてしっかりとしています。
これを作った人は、相当な技術を持っていたことが分かります。
それでは反対方向に通り過ぎて、加賀谷家防空壕を後にしましょう。

こうして遠巻きに見ると、本当に住宅街の中に鎮座していることが分かります。
道路が細いので、少し歩いただけでもう見えなくなってしまいました。

こんなに違和感のある風景はなかなか見れないので、とてもいい経験になりました。
築80年ということでいつまで今の姿を残していけるかは分かりませんが、まだまだ現役で使ってほしいと思いました。



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